Welcome!

kikusuiのブログ

リストに戻る

1年以上

 
 まだ、日本では寒さ厳しく、北国では冬将軍真っ只中ですが  この立春を目安にかぞえ八十八日目が、その八十八夜で、まつりごとや年中行事などこの立春をめどに行われます。

 
又、立春から初めて吹く強風や突風を春一番と呼びます。
皆さんも春先に必ず経験するあの風です。
 
中国の古書には如得如月と書かれ、生更木 衣更着  などの語源説もあります。
 
私も修業時代、朝板場に入ると真っ先に出汁を引く為に大鍋に火をつけます。
徐々に鍋の中の昆布がゆらゆらと踊りだし、吹き上がるかどうかの頃合に びっくり水を差し 
ゆっくりと再びゆらゆらと泳ぎ出す頃合を見て昆布を抜き取り
緊張した眼差しで私は 鍋を見つめています。
 
と言うのも隣で煮方と脇鍋が睨んでいるからです。
(これは、料理の大本だぜ、これがしくじったら台無しだ  !ほら、今だ 鰹を放り込みな )
水を吸いながら、ゆっくり、ゆっくりと鰹は沈んでいきます。
 
鍋掴みを手にしながら私は、鍋を見つめ 再びその鰹のひとひらが沈みういてくるのを今か、今かと煮方の顔色を伺います。
すると、煮方は、(自分で決めなよ  自信を持ってやってみな)
 
怒鳴られてばかり 叱られてばかりの毎日でしたが、その光景を静かに見ていた親方は、毎度の事 その日は 一杯誘われます。
 
程よく、酔いが回った頃親方は着流しの懐から、小さな瓶を取り出し 私に差し出します。
(これは、お前の赤切れにって 煮方の浩二が渡してくれってよ。)
 
その頃、板場は下駄を履き 足袋でしたが、あたしら見習いは水仕事もあるので足袋はご法度でした。
寒いこの季節は、赤切れになり それは、痒くて痛くて 夜もねむれないほどで 風呂に入るとしみてしみて いつも難儀しておりました
その頂いた瓶には上等な地鶏の油のみを丹念ににあげた後、冷やし固めたものでした。
 
薬草も練りこんであり、高級なバターのような、またチーズのような代物で風呂上がりには毎日赤切れの足にすり込みました。
 
あの、徹夜で麻雀や賭け事が好きで般若湯と言っては、煮方の庖丁箱の横に湯呑に入れた冷酒を煽る 野暮な兄貴でしたが、その優しさに心動かされました。
 
また、それを恥ずかしいのか親方に渡して、そして、(足はどうだい、)と瓶が空になる頃を見計らい、また手渡してくれる。このことも、親方の言う目配り気くばり料理人に不可欠な心の働きなんだと、勉強させていただいたことを思い出します。
 
小一時間かけ 純粋な油のみ仕上げるのは、決してお金では買えるものではありませんね。
怒鳴られ 殴られ お叱りを頂いた分だけ その優しさが身にしみます。
 
 
/臆病者には良い料理は作れない
 
独創的に  失敗を恐れず
 
何にでも挑みなさい
 
何処で生まれ育とうが
 
他人に限界を決めさせてはいけない
 
諦めなければ  なんでもできるのです
 
偉大な料理は勇気から生まれるもの
 
                            (    レミーの美味しいレストランより)
 
時折、負けそうな時、修業時代の兄貴や親方の事  花が好きだった祖母と母   あるはずのない水仙の香りがしたような今宵です。
 
                          菊水   馳走菊水庵 ようこそ  ようこそ

kikusuiのブログ

作者:バンコクの地で44年 菊水レストラン

kikusuiのブログ

バンコクの地で45年目を迎えることができました事を皆様に感謝しつつブログを綴ります。

7日 12 総合 1573 いいね

↑投票してね!

人気投票ボタン配置はこちらから



バンコクの地で44年 菊水レストラン さん新着記事

霜月..
1年以上



過去記事

バンコクの地で44年 菊水レストラン さんへの新着コメント




バンコクブログ・Facebookページ人気ランキング

1位 妻を追ってタイへ(タイ田舎暮らしの日々)
2位 ある日本人向け不動産屋のブログ タイ バンコクより
3位 Weekender@Bangkok
4位 TLOのブログ
5位 タイ語でお邪魔しタイランド
6位 タイランドからの便り
7位 浪速のジャズシンガー
8位 リーアン パーサー タイ!! blog 


あなたのブログ・Facebookページをもっと多くの人に読んでもらいませんか?バンコクでのブログ・Facebookページをお持ちの方は是非ご登録下さい。

ブログ・Facebookページ登録