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kikusuiのブログ

1年以上

桜咲く季節 卯の花が咲く事から、また 、干支の四番目が卯である事から卯月と呼ばれたとも言います。


「帰国するまでには、来れるだけ足を運びます。」

苦しい時ほど、自分に自信を持てない時ほど、この言葉が身にしみます。

帰る前に 、もう一度、お料理を食べに来ます。と、、、


私らの仕事 、いや物作りのお仕事をなさっている方々は皆同じでしょう。


毎日同じ事の繰り返しのようでも、それは全く違っていて 、愚ながらもこの庖丁に向かってこれたのも、この美味しかった 、この一言に生きてきたようなものです。


もう、お会いできないかも知れない 今夜限りかも知れない だからこそ、このご縁の不思議。


桜咲く季節は、出会いと別れが交差する季節、咲くも桜 散るも桜 この刹那にこそ私達を魅力するのでしょうか。


数々の思い出や郷愁、永遠ではないところに生まれる物 一瞬の命に 改めて感謝 そして今日お会いできた事に心から感謝でございます。


お料理も 、墨跡も1回のみ、しくじりは許せません たった1度だからこそ、人の心に響くと思います。


以前頂いた 、桜の押し花を肴に 今夜は一献傾けましょうか。


羨まし 心のままに咲きてとく 清々しくも 散る桜かな。


                         馳走 菊水庵 合掌

1年以上

 
 まだ、日本では寒さ厳しく、北国では冬将軍真っ只中ですが  この立春を目安にかぞえ八十八日目が、その八十八夜で、まつりごとや年中行事などこの立春をめどに行われます。

 
又、立春から初めて吹く強風や突風を春一番と呼びます。
皆さんも春先に必ず経験するあの風です。
 
中国の古書には如得如月と書かれ、生更木 衣更着  などの語源説もあります。
 
私も修業時代、朝板場に入ると真っ先に出汁を引く為に大鍋に火をつけます。
徐々に鍋の中の昆布がゆらゆらと踊りだし、吹き上がるかどうかの頃合に びっくり水を差し 
ゆっくりと再びゆらゆらと泳ぎ出す頃合を見て昆布を抜き取り
緊張した眼差しで私は 鍋を見つめています。
 
と言うのも隣で煮方と脇鍋が睨んでいるからです。
(これは、料理の大本だぜ、これがしくじったら台無しだ  !ほら、今だ 鰹を放り込みな )
水を吸いながら、ゆっくり、ゆっくりと鰹は沈んでいきます。
 
鍋掴みを手にしながら私は、鍋を見つめ 再びその鰹のひとひらが沈みういてくるのを今か、今かと煮方の顔色を伺います。
すると、煮方は、(自分で決めなよ  自信を持ってやってみな)
 
怒鳴られてばかり 叱られてばかりの毎日でしたが、その光景を静かに見ていた親方は、毎度の事 その日は 一杯誘われます。
 
程よく、酔いが回った頃親方は着流しの懐から、小さな瓶を取り出し 私に差し出します。
(これは、お前の赤切れにって 煮方の浩二が渡してくれってよ。)
 
その頃、板場は下駄を履き 足袋でしたが、あたしら見習いは水仕事もあるので足袋はご法度でした。
寒いこの季節は、赤切れになり それは、痒くて痛くて 夜もねむれないほどで 風呂に入るとしみてしみて いつも難儀しておりました
その頂いた瓶には上等な地鶏の油のみを丹念ににあげた後、冷やし固めたものでした。
 
薬草も練りこんであり、高級なバターのような、またチーズのような代物で風呂上がりには毎日赤切れの足にすり込みました。
 
あの、徹夜で麻雀や賭け事が好きで般若湯と言っては、煮方の庖丁箱の横に湯呑に入れた冷酒を煽る 野暮な兄貴でしたが、その優しさに心動かされました。
 
また、それを恥ずかしいのか親方に渡して、そして、(足はどうだい、)と瓶が空になる頃を見計らい、また手渡してくれる。このことも、親方の言う目配り気くばり料理人に不可欠な心の働きなんだと、勉強させていただいたことを思い出します。
 
小一時間かけ 純粋な油のみ仕上げるのは、決してお金では買えるものではありませんね。
怒鳴られ 殴られ お叱りを頂いた分だけ その優しさが身にしみます。
 
 
/臆病者には良い料理は作れない
 
独創的に  失敗を恐れず
 
何にでも挑みなさい
 
何処で生まれ育とうが
 
他人に限界を決めさせてはいけない
 
諦めなければ  なんでもできるのです
 
偉大な料理は勇気から生まれるもの
 
                            (    レミーの美味しいレストランより)
 
時折、負けそうな時、修業時代の兄貴や親方の事  花が好きだった祖母と母   あるはずのない水仙の香りがしたような今宵です。
 
                          菊水   馳走菊水庵 ようこそ  ようこそ
1年以上

KIKUSUI-AN Closed for New Year holidays (年末年始の休業)

From Dec 29th till Jan2 (12月29日 () ~1月2日(木))

Open From Jan 3 (3日より営業)

A Happy New Year (よいお年をお迎えください。

来年も宜しくお願い申し上げます)

菊水 Delicious Moment Healthy Future

    Washoku KIKUSUI Restaurant Group

1年以上
霜月 その言葉通り 霜が降りる月。

神無月には、日本の神々が出雲の国に集まり、その土地土地には神々が留守になり、また霜月には、またそれぞれの国に帰るという言い伝え。


お帰りになられた神々や氏神に、秋の実り 収穫の祭りで祝う事から、神帰 神楽、などとも呼ばれます。

立冬を過ぎる頃から 山茶花梅雨と言う雨がしばらく続くのですが、このあたりから朝晩は冷え込み始めます。

私も父が急死した幼少の頃、丁度七五三の年で、田舎の祖母とこの日を迎えました。
朝からあいにくの雨でしたが、祖母は母に手袋と雪よけの草履を母に容易をさせましたが 案の定 その雨は霙から細雪に変わり それは境内に咲く 山茶花 竜胆 柊 等 も可哀想な程冷え込んだ事を憶えています。


冬へ来て 山もあらはに木の葉降り

残る松さえ 峰に 厳しき 祝部成茂


雪にかわった 七五三の日 記念写真を取り 雪のちらつく境内からの通りは 傘を挿すもの 雨のカッパを着るもの 皆寒さからか、近くの甘味処や お蕎麦屋さん 鮨屋さん ラーメン屋さんに駆け込むように飛び込んで行きました。

祖母と母と私は鮨屋さんに入り 食事をしたのですが、まだ子供ながら、二人の雰囲気がこれからの事について話をしていた事は何となくわかったのですが、まだはしゃぎたいさかりで 私は湯呑の茶をこぼし、それはひどく叱られた事を憶えています

祖母は、私の手を握り
貴方は小さい時から、わがままも言わず、いろいろ我慢してきたわね.

母は、震える声を抑えながら 静かに泣いていた様でした。

男泣きに

泣かむと すれば 竜胆が

我が足下に ひかりつ いたり。 北原白秋

真紅なる 山茶花一つ 散り残し

美しきものの 寂しさを 見る。 窪田空穂


盆地でしたので、山裾にうっすらと白い絨毯が引かれるのを お鮨屋さんの窓から眺め 私達は食事を静かに済ませ、タクシーを待ちました。

この歳は、その後、何度か霙が降りましたが、祖母と母は松の木は鳶の職人に雪支度の縄締めをしてもらい 庭や植木などは、自分達で雪囲いをしておりました。

壁腰の花等は 昨年作った竹のしの雪よけを設え、これから来る冬に備えるのです。

(こっちの山野草は 根腐れしない様に 植木鉢に移しましょう 植木鉢を大きさ別に持ってきて頂戴な )
祖母は私に 土入れや、花事の肥料の違いや 赤土 腐葉土のバランスの違いを話していた事を思い出します。

(こんな小さな植物も、暑い夏も 寒い冬も乗り越え しっかり生きているのね。

あなたも負けないで しっかりしなければなりませんよ)

古い物をとても大事にする人で、毎日朝は、家紋の入った道具箱から削り節を取り出し 台所の厨場で正座で鰹節を削るのが日課でした。

私は、もう削ることの出来ない鰹節の尻尾をもらい キャンデーのように口でしがむのが好きでした。

(ねずみみたいで、はしたないわね )と怒られます。
でも、いろいろな物をつまみ食いするのは、楽しいものです。

(つまみ食いするなら お手伝いしなさい)と叱られますが、蜜柑の皮と柚子の香りと共に漬けられた白菜 胡瓜を丸のまま一緒に食べると美味しい自家製の味噌 糠漬けや 干物 乾物 塩漬けされた 山菜等のなど、1日居ても飽きない場所でした

ご馳走 馳走 四季をとうし 山の物 海の物 事欠かない日本 、このご馳走と言う言葉は 本来意味が違うのでしょうね。

千利休が、ある茶人の所を訪問した際の出来事、設えた生け花、座敷に通され さあ一献と言う時、主人が供したのは 先ほど師匠の為に届けさせた蒲鉾 素晴らしい焼き物の器に極上の蒲鉾は揃えられ出されました

利休は、怒り 貴方は目の前の庭にある柚子の木が見えないのかと 届けられた小田原の蒲鉾などと愚の骨頂 柚子の実で、ゆず味噌でも設えたら どれほど茶の心にかなっているかと 。
素材の豪華さやこれ見よがしの 珍味ではなく、今そこにあるもの ここでしか食べれないものを主人が工夫し、本文である一服の茶の為に その客をもてなす事
心を配らずに 馳走とは そして茶の心が理解しておらんと その場から帰路に立つ利休。


私が修業中、少しばかり仕事を覚えた頃、天狗になっていたのか、親方はそれを見抜き

(てめえ 奢っていやがるな、料理がうるさくってしょうがねえぜ どうだ凄いでしょうって言ってるぜ。)

人間一度 高くなった鼻をへし折られなければだめですね。

たっぷりと油を絞られた日は 川筋のおでん屋で 親方が一杯誘ってくれるのですが、その皿のちくわぶ 大根 つくね どれひとつとっても 出しゃばらず、ほどよいバランスです

(料理は、ナルシストじゃだめだぜ、相手があってこその花だ )

そろそろ、大根も太く甘くなる頃、風呂吹きや 鯛かぶら 美味しい出しと炊きましょうか。

霜月秋冷 海も山も川も、賑やかになってきました。
ようこそ ようこそ お待ちしています。

土萌ゆる 草枯れしむ

菊水庵
1年以上

日々振り続く秋雨 

この頃になると、日の長さも変わり 夕方ともなると薄暗くなるのも早いですね。

頬に受ける風も、心地よい涼しさをおびて 月の動きも朧でございます。

タイで見る月も、日本で愛でる月も同じなら、尚の事秋枯れに枯れにものの哀れを限りに尽くすようでございます。

今月は、お酒のせいなのかまた 郷愁なのか アリスさんの曲がしみてまいります。

/悩み続けた日々が まるで嘘のように

忘れられる時が来るまで心を閉じたまま、

暮らしてゆこう 遠くで汽笛を聞きながら

何もいい事がなかったこの街で

俺を見捨てた人を恨んで生きるより

幼い心に秘めた虚しい涙の捨て場所を

探してみたい  遠くで汽笛を聞きながら

何もいい事がなかったこの街で

せめて一夜の夢と泣いて泣き明かして

自分の言葉に嘘はつくまい人を裏切るまい

生きてゆきたい遠くで汽笛を聞きながら

何もいい事がなかったこの街で。

いつものことながら、ほろ酔い加減の親方が、唄う十八番は演歌でしたが、

時折、この歌を歌う時がありました

親方に教わった子持ちあゆの煮物 

鮎を目の前にしながら叱られた事を思い出し この歌を口ずさんでみました。

料理は技術だけではかないません。

思いや心の働きも大切かと。

秋の味覚で 皆様のお越しをお待ちしております。

馳走  菊水庵 

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作者:バンコクの地で44年 菊水レストラン

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バンコクの地で45年目を迎えることができました事を皆様に感謝しつつブログを綴ります。

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